スティーブ・ジョブズ ブレッド・シュナイダー、リック・テッツェリ著

自分にとって、永遠のヒーロー:スティーブ・ジョブズ

shi3zさんのブログを読んで、この本を読んでみた。
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/touch/20170107/1483743105


もちろん、本当のスティーブの人間性は、全ての人がそうであるように多面的で、一つの表現だけで表せるものではない。ジョブズ伝を書く人達は、それでもなんとかそれに肉薄しようと試みる。

自分にとっては、この本が一番しっくりきた。


自分には出来ない仕事、ビジョン、情熱、そしてそれに連なった無数の人々の物語。
デビットボーイも1999年のインビューで、現在のネット社会の未来を予見していたらしい。
http://www.gizmodo.jp/2017/01/david-bowie-predicts-what-will-happen-with-the-internet-in-1999.html


パーソナルコンピュータの黎明期をリアルタイムに体験した世代として、又インターネットの過度期を経験しつつある今、この時期に生きていることがとても幸運だと思う。
マッキントッシュSE/30を60万円以上払って、ワクワクして買っていたエキサイティングな時期を体験できた。
当時、出来ることは少なかった。処理能力も分解能を容量も、スピードも今とは比べ物にならないくらい貧弱だった。
でも、夢を感じた。ワクワクした。

当時、やりたかった事は、ほぼ全て、それもとてもチープに実現できている。
システムは自分で構築しなくても、世界中の誰かが、それも無償で提供されている。
それは、嬉しくもあり、残念でもある。


肉親以外で、真に痛みを感じた他人の死はカーペンターズのカレン・カーペンターとスティーブ・ジョブズの二人だけである。


ジョブズは遠くで眺めているにはいいけれど、近くにいて、仕事のパートナーだったら、間違いなく”クソ”とこき下ろされていただろうから、遠くの輝く星として眺めているのが良いのだろう。

それでも、こんな優秀な人達の集団で、それもジョブズのような天才と一緒に仕事する機会を持ってみたいとも思う。自分には仕事上の師匠はいなかった。ロールモデルになる先輩はいなかったから、自分で模索して仕事してきた。仕事内容を管理しない(管理できない)社風が幸いしていたのだろう。幸せなことである。


自分に才能があると思ったことはない。自分のペースでじっくり続けていけば、自分なんなりのなにがしかの成果が得られるとはとは思って仕事してきた。
とても優秀で、頭の回転が速い、所謂頭のいい人は苦手である。話していると、そのうちついていけなくなる。意味不明になって、おいてきぼりになる感がいやなのである。
でも優秀な集団では、やりとりが高速で深く交換されて、その混沌の中から、きらめく稲妻のような決断が下されるのだろう。
すごいストレス、プレッシャー。でもそれを超える充実感。

こんなとりとめのない感想を書くようになったのは、間違いなく、「モーニングページ」を毎日書き続けてきた効果だろう。




この文書をかいていて、今読んでいるエッセイの文章が耳が痛い!
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森博嗣著 「つぼみ茸ムース5」
「感想 」が言えない人たち

安倍総理のことをどう思いますか ? 」 「あの人 、消費税を上げると言っていたのに 、今度は上げないって言いだしましたよね 」 「オバマ大統領については 、どんな印象ですか ? 」 「このまえ 、広島に来たでしょう 。あのとき 、演説をしたのを聞きました 。うん 、そんな印象です」
こういう返答をする人が 、とても多いのである 。つまり 、感想や印象をきかれているのに 、答えているのは 、誰もが知っている具体的な情報だけなのだ 。自分がどう思ったかが 、まったく言葉になっていない 。こういう人が増えたのは 、おそらく情報が過多になっていて 、それを受け取るだけで消耗してしまう社会になったからだろう 。それについて 、どう考えるのか 、という余裕などない 、というわけである 。小説の感想も 、ほぼこのとおりだ 。ネットでツイッタやブログで本の感想を書いている人は多数いるのだが 、書かれているのは 「あらすじ 」であって 、 「感想 」ではない 。だらだらと物語のことを克明に書いている人もいる 。つまり 、知識として記憶として 、この本を読んだぞ 、知っているぞ 、ということを訴えているのにすぎない 。