「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著

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「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著 読了。

Kindleの音声読み上げ機能で読んだ二冊目。

 

生まれたときから、臓器提供する為だけに生まれてきたクローン人間の話。

せつない話だ。

読み手によって如何にも読める小説だ。

神至上主義から人間至上主義に至ったこの世界の次は何処へ向かうのだろうか?

ひび、鳥、牛、豚等の生物を大量虐殺して食べてて消費しいる人間。でも、人間と同じようなクローン人間には特別な感情が生まれる。しかし、やがて家畜と同じようにそんな感情は忘れ去られて、都合よく世の中から消しされれていく。

AIで人間の職が奪われるのではなか?という恐怖も人間至上主義からうまれる。

生は条理で、死は不条理。

成長は条理で、老いは不条理。

人間が一番尊い。その為には何を利用しても構わない。今、人は神になっている。

 

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「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著 読了。

Kindleの音声読み上げ機能で読んだ二冊目。

今まで、どちらかというとフィクションよりもノンフィクションを好んで読んできた。ノンフィクションは嘘っぽく感じられたからだ。でも、カズオ・イシグロの作品を読んでみると、フィクションの方が人間の内面により肉薄できるのではないかと感じた。ノンフィクションはどこまで行っても当事者にはなりえないが、フィクションなら100%作者の創作だから、作品の中の当事者になりえるからだろう。

「わたしを離さないで」は、読んだ後にずっと余韻が自分のなかに残る作品だった。それをすぐに言葉に出して言いあらわせないが、ずっと心の中に響き続けている感じだ。

例えて言うと、良質のウイスキーをストレートで飲んだ感じに似ている。最初に口に含んだ時の感触、喉越しのカーとした感じ、そして飲み干した後の口の中に残った香りの余韻。

しばらく、この気持ちいい余韻にひたっていよう。