Her/世界でひとつの彼女

her/世界でひとつの彼女』感想、近未来をコンピューターと人間の恋を描くが、作品の本質はド直球の"愛"そのもので非常に感銘を受ける - A LA CARTE

映画『her/世界でひとつの彼女』12.3 Blu-ray&DVD RELEASE!

シネマイーラで20:30-22:40 鑑賞。
久しぶりにじっくり映画を観た。コンピュータの彼女と本当に恋に落ちてしまう男の話。
人間の本質的欲求、自分を理解してもらいたい、愛されたい、相手を独占したい、 …..。自分勝手な欲求が、相手がOSなのでよけい浮き彫りにされる。
最後は、OSが成長して新たな次元に去っていってしまう。その時に、真の愛に気づかされる。人間同士でも、相手の境涯との開きがあまりにあると、一緒に人生を歩むのは困難になってくる。相手も、自分も常に変化しているのだから。
一時期、本当に愛し合っていたとしても、その変化の過程で違う人生を歩まざるおえない場合もある。

結婚した当初、もしかしたら本当に自分のことを理解してもらえる相手に人生で初めて出会えたのかも? と思ったこともあった。しかし、それは幻想であった。それが人間の本来の姿なのだと思う。誰しも、そのような欲求をもつだろうが、それを他人に求めること自体、とても困難なことだと分かった。だから、なんとか人は分かろうと悩み、努力しているのだと思う。
まず、自分自身が自分を分かろうとすることが先決だ!!

物語の途中で、OSが故障などで居なくなったらという予測が頭に浮かんだ。しかし、人間の命は永遠ではないのだから、OSでなくても愛する人との別れは必ずおとずれる運命にあると気づかされた。
今この瞬間は、二度と訪れる事のない瞬間である。愛する人とのこの瞬間がいかに貴重なのだという事を、命の有限性を常に意識しないと、つい忘れてしまう。それも人間である。
今、この瞬間を生きる。その刹那の連続が人生というものなのだろう。