トーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン

トーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン」 単行本  2014/11/27
ボエル・ウェスティン (著), 畑中 麻紀 (翻訳), 森下 圭子 (翻訳)
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芸術家の作品と人生、精神は密接に関連しているはずだ。
ただ、なかなかその関係性について外部から考察するのは難しい。
トーベの場合、彼女自身の膨大な記録、書簡があるため、この本において
かなり真実に肉薄できているような気がする。
そういう意味でとても貴重で興味深い一冊だ。
発刊が2014年と新しい。
原書が刊行されたのは、トーベ・ヤンソンが亡くなってから約6年経った2007年のこと。
トーベは2001年に亡くなっているのを考慮すると比較的新しいのかもしれない。

親友、家族、恋人、そして自分自身の日記や書簡の記録。
なかなか自分自身について客観視するのは難しいはずだ。
しかし、画家としての自画像的な観察眼で見つめる習慣があるトーベ
だからこそのこれらの記録が残されていたのだろう。

日記、親しい友人、家族であっても自分の本当に思っていることを文章にするのは
難しいし、第三者へ内面を吐露するのは勇気がいることだ。

画家であり文筆家であるトーベならではの記録なのだろう。
激しく赤裸々で正直で... 。

自分のかなのムーミンは子供のころ大好きだったアニメのムーミンだ。
トーベ自身もこのアニメについて痛烈に批判し、「これは私のかいたムーミンではない」
的な発言をしたと聞いている。

なので、最近原作のムーミンを娘に薦められて読み始めてみると
やはりかなり違った印象だ。
ムーミンはなんども推敲をかさねて練りに練った作品で、短い文章
の中に多くの含蓄ある内容があるのだと思って読むと
なかなか読み進められない。

本来は文章とイラスト、レイアウト等の全てがトーベによってデザインされた
作品だと思うので、翻訳されて新しく編集された翻訳本では多くの要素が
削ぎ落されていることだろう。
それにしても、それでもなお、世界中のファンを魅了して止まない作品だ。


岡田斗司夫プレミアムブロマガ
岡田斗司夫プレミアムブロマガ「トーベ・ヤンソンの人生が投影された原作『ムーミン』は、「公式版」とこんなに違う」
https://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive/blomaga/ar1767603

【新着記事】評伝『トーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン』の訳者の一人、森下圭子さんインタビュー
https://ameblo.jp/hokuwalk/entry-11975294919.html

森下圭子さんのインタビュー、ぜひご覧ください!
【特集】ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの作品はなぜ人々を魅了し続けるのか?その理由は彼女の人生にあった!~森下圭子さんインタビュー
http://hokuwalk.com/Spe/page/page_id/022015010800015001/cat_id/3

 

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